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水門ゲートを開閉する仕組みと構造とは?水門設計・製造メーカーが徹底解説!

2023/09/05

ポンプ場用締切ゲート

水門を設計する際は、機能性や安全性など、様々な観点から総合的にバランスが取れた設計にしなければなりません。そのためには、最適な水門ゲートや開閉装置の種類を選定する必要があります。

ここでは、水門ゲート・開閉装置の設計・製造メーカーであるヤマウラが、水門の役割や仕組み、構造から、水門やゲート開閉装置の種類、水門設備を製造する上で重要なポイント、さらには実際に製作した水門設備やゲート開閉装置の事例まで、まとめてご紹介いたします。

水門とは?水門の役割と構造について

水門は、高潮や水害などのトラブルが発生した際、門を閉じることで、内水域の水位上昇を防ぐ役割を持ちます。

水門には、逆流防止水門(洪水時、支川への流入を防ぐ)や防潮水門(河川への海水の侵入を防ぐ)などといった種類があり、基本的には流水を制御するための構造物のうち、河川や運河、用水路、湖沼、貯水池、港湾などで河川堤防を分断する形で設けられています。 小さいサイズの水門については、農業用水路に使用される水門ゲートや、用水路用の水門もあります。

また水門は、主に下記の構造で成り立っています。

  • 床版
  • 堰柱
  • 門柱
  • ゲート操作台および操作室
  • 胸壁
  • 翼壁
  • 水叩き
  • 遮水工
  • ゲート
  • 戸当たり
  • 開閉装置
  • 管理橋
  • 付属設備

ただし、水門を設計する際は、それぞれの構造部に必要な機能と、水門ゲート全体の安定性のバランスを取った構造にしなければいけません。その他にも水門ゲートを開閉する操作性や、外観の景観、設置先の環境、さらには水位上昇を防止する経済性等も含めて、総合的に最適化された設計が必要となるため、水門の設計は非常に難易度が高いと言えます。

>>水門とは?構造から仕組み、設計・製作のポイントまで徹底解説!

水門ゲートと開閉装置の種類と仕組み

水門ゲートには、目的や用途によって、以下のような数多くの種類が存在します。

  • ローラーゲート・・・門扉方式。ローラーにて門を開閉する。
  • スイングゲート・・・1枚門扉の端を支点に扉自体がスイング。
  • セクターゲート・・・2枚の扇形門扉が付け根を支点にスイング。
  • スライドゲート・・・ローラーがなく単純に板を上下に動かす。
  • 転倒ゲート・・・・・洪水など水位が上昇した際、ゲートが倒れる方式、景観に優れている。
  • フラップゲート・・・水の浮力や津波の力を利用して自動的に起き上がる。

その中でも、日本で設置されている水門の多くは、ローラーゲートです。ローラーゲートは、鋼鉄などでできた開閉用ゲートの板に、ローラを取り付けたものです。スピンドルやワイヤードラムを使用して、門を垂直に持ち上げて上下に開閉します。ローラーを付けることで、水門の水圧による開閉抵抗を軽減させ、大きな水圧がかかる大規模な水門にも利用できるほか、構造上止水が容易で信頼性が高いため河川構造物ではよく用いられています。

このように水門のゲートにはいくつか種類がありますが、それに応じてゲートの開閉装置にも種類があります。当社で実際に製作実績があるゲート開閉装置の種類としては、下記のような種類が挙げられます。

  • ローラーゲート式
  • ワイヤーロープウインチ式
  • スライドゲート式

水門設計・製造メーカーが語る、水門設備を製造する上で重要なポイント

【コラム】水門とは?樋門の違いって?その仕組みと製作のポイントを徹底解説!

インフラ技術ナビを運営する株式会社ヤマウラ エンジニアリング事業部では、水門やゲート開閉装置の設計から製造、現場工事まですべて対応しております。そんな当社だからこそ言える、水門設備を製造する上で重要なポイントは、およそ下記のとおりです。

  • 設置予定場所の環境等を踏まえた、最適な水門やゲート開閉装置の提案
  • 開閉荷重40t以上もの開閉装置の製造対応
  • 水門設備の製造をワンストップ対応
  • 一体物で輸送できない場合はゲートを分割設計&現地組み立て
  • 水門の定期メンテナンス・水害などの緊急トラブル時の点検対応
  • 手動のゲート開閉装置を電動化にする水門の改造対応

当社では、ただ依頼いただいた通りに水門を作ることはありません。先述の通り、水門ゲートの機能性や安定性、操作性、美観性、環境性、経済性といった様々な視点で製作判断をしたうえで、最適な水門の設計提案をさせていただきます。

また水門の種類や使用用途、設置環境によっては、ゲートを開閉する際に40tもの開閉荷重がかかる場合もあります。しかし当社では、大きな力が作用するインフラ設備の設計・製造実績も多数ございますので、機能面に関するあらゆるお困りごとを解消することができます。

水門設備の製造体制についても、水門開閉用のスピンドルやゲート、巻き上げワイヤードラム、周辺部の構成部品まで、すべて社内で製作・調達いたします。水門の設置工事まで行いますが、一体物で輸送が困難なサイズもございますので、その際は水門の分割設計提案から、現地での組立設置工事まで、ゼロから最後まで対応いたいします。

>>ワイヤードラムにおける2つの選定ポイントとは?

ヤマウラでは、水門の定期メンテナンスや、万が一水害が発生した際の緊急時トラブル対応や点検も実施いたします。設計・製造・据付だけでなく、アフターメンテナンスとしてのサービスも展開しております。

さらに、当社にご相談が多いのが、手動開閉装置の電動化です。水門は手動によるゲート開閉装置が多くを占めていますが、その場で開閉しなければならず、また大きな力をかける必要もあるため、対応可能な作業員も限られてしまいます。しかし水門ゲートの開閉を電動化することで、誰でも容易に、かつ遠隔操作で水門ゲートを開閉できるようになります。また監視カメラを付けることで、より安全性も高めることができます。

このようにヤマウラでは、水門ゲートの設計・製造メーカーとして、様々なノウハウと多数の実績を兼ね備えております。当社は機械設計と電気設計を、ハードとソフトのどちらの設計技術をも組み合わせることで、ヤマウラでしかできない水門の製作が可能になるのです。

水門に関する製品事例

続いて、実際に当社が製作した水門の製品事例をご紹介いたします。

鋼製スライドゲート


鋼製スライドゲート

こちらは、当社が製作した鋼製スライドゲートです。

こちらの鋼製スライドゲートはもともと手動の開閉装置でしたが電動化いたしました。

当初、開閉装置のみの取替計画でしたが、老朽化により強度不足となった門扉の更新も新たに提案し、お客様の設計条件を満足した設備を納入することが出来ました。

>>詳細はこちら

ポンプ場用締切ゲート


ポンプ場用締切ゲート

こちらは、ポンプ場用締切ゲートです。H=5300 W=9400 D=660という、一体物では輸送できないサイズとなるため、4分割にて輸送し、現地にて組み立てまで対応いたしました。

扉体は、耐食性や加工性、高温化での機械的性質、溶接性を考慮した上で、SUS316が採用されています。また方式としては、ローラーゲート式を採用しています。

>>詳細はこちら

水門スピンドル(台形ねじ)


水門スピンドル(台形ねじ)

こちらは、当社ヤマウラが保有しているNC長尺旋盤(最大加工能力:L7,000)で製作した水門スピンドル(台形ねじ)です。水門(ゲート)の開閉装置用の台形ねじとしてご依頼いただき、製作いたしました。

インフラ技術ナビを運営するヤマウラは、過去にΦ150、L5,700の水門スピンドルを加工した実績もございます。

>>詳細はこちら

水門やゲート開閉装置のことなら、ヤマウラまで!

水門やゲート開閉装置にお困りの方は、インフラ技術ナビ.comを運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!

>>>お問い合わせはこちら

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