除塵機が主役となる除塵設備は、汚水処理施設や排水設備、中継ポンプ場において、流入する夾雑物を除去するために使われます。この除塵設備について、構成する要素は大きく分けて、「スクリーン、除塵機、搬送設備、貯留設備、制御設備」の5つに分類されます。

そこで本記事では、除塵設備の目的から構成要素、そして実際に当社で製作した除塵設備について、まとめてご紹介いたします。

除塵設備の目的とは？

除塵機とは、塵や土砂などを取り除くために使用する機械のことで、汚水処理施設や排水設備、中継ポンプ場において、流入する夾雑物を除去するために使われます。これを除去することによって、水流が止まるのを防ぐために除塵機設備は用いられます。

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ただ長年使用すると、チェーンのゆるみやパーツの故障により、除塵機の稼働が止まってしまうことがあります。このようなトラブルを未然に防ぐ方法ことが重要になります。

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除塵設備の5つの構成要素とは？

除塵設備を構成する要素は大きく分けて、「スクリーン、除塵機、搬送設備、貯留設備、制御設備」の5つに分類されます。

■ スクリーン

スクリーンとは、塵芥を補足する設備です。

■ 除塵機

除塵機とは、スクリーンで補足された塵芥を水中から直接分離・搔揚・搬送する設備全体のことです。除塵設備の心臓部と言えます。

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■搬送設備

搬送設備は、掻き揚げられた塵芥を所定の位置まで搬送する設備です。コンベヤーが該当します。

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■貯留設備

貯留設備は、搬送された塵芥を一時的に貯留する設備のことです。タンクや槽の設備になります。

■制御設備

そして忘れてはならないのが、制御設備です。除塵機や搬送設備は電動駆動になりますが、その操作や制御を行う設備です。機側操作盤が該当します。

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除塵設備の耐用年数はどれくらい？

これらの要素で構成される除塵設備ですが、頻繁にご質問をいただくのが「耐用年数」についてです。

小水力発電に使用される除塵機の場合、水力発電所機械装置の法定耐用年数は２２年となっているため、除塵機の一般的な耐用年数は22年です。

しかし実用上の耐用年数（寿命）は、運転条件（土砂摩耗等）にもよりますが、摩耗や劣化の補修、部品の交換など適切な保守管理を行えば５０年以上の運転も可能です。つまり、除塵機の耐用年数は計画的な保全をすることで、2倍にも伸ばすことができるとも言えます。

下記は、農林水産省農村振興局整備部設計課が作成した「農業水利施設の機能保全の手引き」より独自に作成した、除塵設備の参考耐用年数と保全方式の一覧です。保全方式については、状態監視保全（CBM：Condition Based Maintenance）、時間計画保全（TBM：Time Based Maintenance）、通常事後保全（PBM：Planned Breakdown Maintenance）の大きく3種類があり、定期メンテナンスの際に状況確認する方法と、時間に応じて実施を確実にする方法と、トラブルが生じてから修理メンテナンスする方法があり、除塵設備や要素ごとに保全方式も異なります。

設備区分	装置	機器・部材	部品	規格・材質(例)	参考耐用年数	保全方式	備考
除塵設備	スクリーン	スクリーン	スクリーンバー	SUS	40	状態監視保全
			通しボルトナット	SUS	40	状態監視保全
			ディスタンスピース	SUS	40	状態監視保全
		受梁		SUS	40	状態監視保全
		補助スクリーン		SUS	40	状態監視保全
	除塵機	レーキ		SUS	40	状態監視保全
		レーキチェーン		SUS	10	状態監視保全
		エプロン	エプロン	SUS	40	状態監視保全
			軸カバー	SUS	40	状態監視保全
		ガイドレール	ガイド	SUS	40	状態監視保全
			レール	SUS	20	状態監視保全
		フレーム		SUS	40	状態監視保全
		駆動軸	軸	S-C, SS	25	状態監視保全
			スプロケット	FCD	15	状態監視保全
			軸受		15	状態監視保全
駆動装置	レーキ回動式	電動機			25	状態監視保全
		減速機			25	状態監視保全
		継手	流体継手		25	状態監視保全
			粉体継手		10	状態監視保全
			チェーン継手		25	状態監視保全
			ギヤ継手		25	状態監視保全
		チェーン			15	状態監視保全
		スプロケット			15	状態監視保全
		位置リミットスイッチ			10	時間計画保全
		過負荷検出装置			20	時間計画保全	サイクロ減速機に内蔵
	油圧式	油圧ユニット	油圧ユニット本体		25	状態監視保全
			油圧ポンプ		15	通常事後保全
			電動機		25	状態監視保全
			バルブ(電磁弁等)		15	状態監視保全
			バルブ(リリーフ弁等)		15	状態監視保全
			バルブ(チェック弁等)		15	状態監視保全
			計器		10	通常事後保全
			フレキシブルホース		10	通常事後保全
			フィルターエレメント		10	通常事後保全
			アキュムレータ		15	通常事後保全
		油圧シリンダ	シリンダ本体		30	状態監視保全	ロッドがステンレスの場合
			シリンダパッキン		10	状態監視保全
		油圧配管			20	状態監視保全	普通鋼の場合
		油圧作動油			3	通常事後保全
		潤滑油			5	通常事後保全
搬出装置	ベルトコンベヤ	フレーム			25	状態監視保全
		ベルト			10	状態監視保全
		駆動プーリ			20	状態監視保全
		従動プーリ			25	状態監視保全
		キャリアローラ			10	通常事後保全
		リターンローラ			10	通常事後保全
		非常引網スイッチ			10	時間計画保全
貯留装置	カットゲート式ホッパ	ホッパ本体			25	状態監視保全
		ゲート			25	状態監視保全
		電動シリンダ			15	状態監視保全
		軸受			20	状態監視保全
		リミットスイッチ			10	時間計画保全
その他設備	付属設備	階段			40	状態監視保全
		手すり			40	状態監視保全
	管理橋	本体			40	状態監視保全
		床板			40	状態監視保全
		手摺			40	状態監視保全
		亜鉛メッキ			40	状態監視保全
機側操作盤	機側操作盤	本体			20(15)	時間計画保全	屋内(屋外)
		各機器	計器類(電圧計、電流計等)		10	時間計画保全
			駆動器類(電磁接触器等)		10	時間計画保全
			各種リレー		10	時間計画保全
			各種スイッチ		10	時間計画保全
			表示灯		10	時間計画保全
			表示灯		10	通常事後保全

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除塵機でよくあるトラブルとは？

これらの設備で構成される除塵設備ですが、どうしてもトラブルはつきものです。除塵設備でよくあるトラブルは、主に下記の通りです。

1. チェーンが切れる
2. チェーンがゆるむ
3. モーターの焼き付き
4. コンベアがつまる

＞＞除塵機に関するよくあるトラブルとは？対処方法まで解説！

除塵機における4つのスマート保全

上記のようなトラブルを解決するために、除塵機の定期的な点検や予知保全をする必要があります。特に除塵機では遠隔地からのスマート保全が重要となりますが、除塵機のスマート保全には、おもに下記の４つの方法があります。

1. モーターの電流値のモニタリング
2. 可動部分の異音検知
3. 画像認識によるアラーム
4. ＰＬＣの活用

＞＞ＩｏＴを活用した、除塵機「スマート保全」の進め方

除塵機に関する製品事例

続いて、実際に当社が製作した除塵機の製品事例をご紹介いたします。

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前面降下前面掻揚式除塵機

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レーキ前面降下前面掻揚式　小水力発電設備用除塵機

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跳ね上げ構造付き 前面降下前面掻揚式除塵機

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固定式ロータリーチェーン式除塵機（前面降下前面掻揚式）

＞＞その他の除塵機の事例はこちら！

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