2021/10/20
河川などの塵やゴミを取り除くために利用される除塵機。この除塵機の種類や構造によって、ごみを効率良く除去できるかどうかに影響がでます。そのためにも、製作工程と注意点を事前に知っておくことが必要です。
本記事では、除塵機の特徴や製作時のポイントについてわかりやすくご紹介しますので、是非ともお役立ていただければ幸いです。
目次
・除塵機とは
・除塵機のレーキとは
・当社の除塵機製作工程について
・除塵機に関する製品事例
・ヤマウラだから製作できる除塵機
・除塵機のことなら、ヤマウラまで!
除塵機とは、塵や土砂などを取り除くために使用する機械のことです。
汚水処理施設や排水設備、中継ポンプ場において、流入する夾雑物を除去するために使われます。塵やごみ、落ち葉などをかき集めて除去することができるため、河口に向かって流れがあるところや水力発電所、排水設備などに用いられ、塵やごみよって水流が止まるのを防ぐ役割があります。
汚水処理施設や排水設備以外にも、農業や工業用水、上水道や汚水処理施設など様々な場所で活躍しています。ただ長年使用すると、チェーンのゆるみやパーツの故障により、除塵機の稼働が止まってしまうことがあります。このようなトラブルを未然に防ぐ方法ことが重要になります。
>>>【コラム】除塵機でよくあるトラブル事例は?対処方法も解説!
除塵設備を構成する要素は大きく分けて、「スクリーン、除塵機、搬送設備、貯留設備、制御設備」の5つに分類されます。
レーキとは、除塵機の回転部分についているピンのことを指します。
除塵機のごみの回収方式にはレーキ形とネット形の2種類があります。
レーキ形除塵機では、除塵機の回転部分にレーキ(熊手)と呼ばれるピンがついており、レーキが回転することでごみを水面からかき上げます。このレーキ形除塵機には、レーキ回動式除塵機と、レーキ往復式除塵機の、大きく2種類あります。
レーキ形回動式除塵機は、エンドレスチェーンと呼ばれるチェーンが組み込まれており、チェーンが回転を続けることで、永続的に大量のゴミを除去し続けることが可能です。
一方のレーキ形往復式除塵機は、回転を続ける回動式と異なり、チェーンに複数のレーキを取付け、単一の大型のレーキを用いて除去します。レーキ幅が大きく、幅広い範囲をカバーできるため、大型ゴミの除去に対応できますが、レーキが1つなので持続的に大量のゴミが流れてくる箇所への設置には適していません。
このように、同じレーキ式でも、使用する用途や除塵機を設置する場所などを考慮して選択する必要があります。
>>レーキ形除塵機の「回動式」と「往復式」のメリット・デメリットとは?
>>【事例】レーキ前面降下前面掻揚式 小水力発電設備用除塵機
ネット形除塵機は、除去したい対象物の大きさに合った網目のネットを回転させることでごみを捉える除塵機です。
また、スクリーンやネットの網目の粗さが細かい物から大型のものまであり、除去したい対象物に合わせて大きさを変えることで、捉えたごみを下流に取り逃がしてしまうことなく除去することができます。
レーキ形除塵機において、回動式除塵機はさらに「前面降下前面搔揚(かきあげ)式」と、「背面降下前面搔揚式」の2種類に分類されます。
背面降下前面搔揚式除塵機のメリットは、主に下記の通りです。
・ゴミを押し込むことがなく効率がよい
・小さなゴミを効率よく搔き揚げることができる
このように、除塵効率としては背面降下前面搔揚式除塵機に軍配が上がりますが、除塵能力と精度の観点から、ヤマウラでは前面降下前面搔揚式除塵機について、積極的にご提案しており、数多くの製造実績がございます。
除塵機の比較表は下記の通りです。ぜひ参考にしてみてください。
当社が除塵機を製作する上での、製作工程についてご紹介します。
製作工程は、製缶溶接と機械加工が中心になります。
製作する除塵機の種類によって加工を行うマシンが異なってきますので、各種種類に対応できるだけの大型工作機械・装置が必要になります。
製品が完成しますと、製品の各種検査を実施致します。
検査内容としては、書類検査(寸法検査&塗装膜厚検査記録、材料ミルシート、製作工程写真)と製品検査(寸法外観、塗装、作動)があり、検査合格後に出荷となります。
実際に除塵機が稼働している様子の動画もございますので、ぜひご覧ください。
続いて、実際に当社が製作した除塵機の製品事例をご紹介いたします。
こちらの除塵機は河川の本流に設置するため、1200kgf/1レーキもの大きな塵芥も処理できる強靭な構造となっています。
除塵機の操作は、タブレット端末による遠隔操作が可能なため、運転室まで階段を上り下りする必要がなく、また悪天候であっても遠隔から除塵機を管理することができます。
現地組み立てを極力無くし、組み上がった装置を現地へそのまま設置できるため、工事期間は最小限に抑えることができました。また、材質は全てステンレス製のため、錆等による修繕の必要がありません。
運転方式は手動運転に加え、タイマー運転、水位差運転機能を具備しております。
前面降下前面掻揚式除塵機は、水力発電所の沈砂池に設置する大型の固定式除塵機です。
総重量は130tを超え、東海エリア最大級のサイズを誇っています。
施工の際は、車輛での寄付きが困難な箇所であったため、河川へ台船を浮かべ曳航するという施工方法を採用いたしました。
移動ワイヤーロープ式除塵機は、水力発電所の取水口に設置する大型の移動式除塵機です。こちらの除塵機は河川の本流に設置するため、1000kgf/1レーキもの大きな塵芥も処理できる強靭な構造となっています。
豪雪地帯ということもあって、厚いコンクリート建屋に覆われており、資機材の搬入ではコンクリート壁の一部を壊して搬入致しました。又、現地までのアクセスに制約があり、1度現場に入ってしまうと1ヶ月程度下山できない過酷な状況下での施工でした。
除塵機は、農業用水路の上流等に設置し、流下する塵芥(草、流木、生活ごみ、獣等)を除去する装置です。スクリーンの目開きを大きくし、大きな塵芥を除去することを目的としております。
レーキアーム式を採用しているため、トラブル時にも断水する事なく、メンテナンスが可能です。シリンダーには油圧ではなく、電動シリンダーを選定している為、万が一にも河川に油が流出することはありません。
現地組み立てを極力無くし、組み上がった装置を現地へそのまま設置できるため、工事期間は最小限に抑えることができました。
また、材質は全てステンレス製のため、錆等による修繕の必要がありません。
運転方式は手動運転に加え、タイマー運転、水位差運転機能を具備しております。
現地組み立てを極力無くし、組み上がった装置を現地へそのまま設置できるため、工事期間は最小限に抑えることができました。
また、材質は全てステンレス製のため、錆等による修繕の必要がありません。
前面にあるアームで除塵機のガイドフレームを持ち上げ、有水期でも水中部の部品交換やメンテナンスを可能としました。 エンドユーザー様の仕様に合ったカラーリングも特徴のひとつです。
こちらの除塵機は河川の本流に設置するため、1000kgf/1レーキもの大きな塵芥も処理できる強靭な構造となっています。
除塵機の操作は、タブレット端末による遠隔操作が可能なため、運転室まで階段を上り下りする必要がなく、遠隔から除塵機を管理することができます。
現地組み立てを極力無くし、組み上がった除塵機を現地へそのまま設置できるようにしました。そのため、工事期間は最小限に抑えることができました。また、材質は全てステンレス製のため、錆等による修繕の必要がありません。
現地組み立てを極力無くし、組み上がった装置を現地へそのまま設置できるため、工事期間は最小限に抑えることができました。また、材質は全てステンレス製のため、錆等による修繕の必要がありません。
除塵機の操作は、タブレット端末による遠隔操作が可能なため、運転室まで階段を上り下りする必要がなく、遠隔から除塵機を管理することができます。また、スクリーンの角度が直角であり覗き込んで塵芥を確認する事が困難であった為、ネットワークカメラを搭載し、安全で安心した除塵作業を実現しました。
流速が早く、塵芥がスクリーンへ張り付いてしまう為、レーキ爪の構造と角度が重要なポイントとなりました。
水力発電所の水槽地点に設置されており、水車発電機へ流れ込むきれいな水の最終関門となります。水路の構造に合わせて2連の除塵機を設置致しました。納入実績も非常に多いスタンダードタイプといえます。
こちらの除塵機は河川の本流に設置され、大きな流木や塵芥の処理を想定し掻揚荷重1200kgf/1レーキもの大きく強靭な構造となっています。またコンベアは機外コンベア(別置き構造)となっております。
除塵機の操作は、タブレット端末による遠隔操作が可能なため、運転室まで階段を上り下りする必要がなく、遠隔から除塵機を管理することができます。
災害によって被害を受けてしまった排水機場の除塵設備を更新致しました。既存設備を運用しながらの設置工事であった為、期間的な制約や輻輳する現場環境等、高度な施工を求められた工事でした。
排水機場用除塵機1基の新設と既存機2基の整備工事となります。
排水機場の水処理設備は農地や人家、公共施設等を水害から守る為の重要な設備となります。
既存機の整備工事では土木構造物や他機器との取り合いがとても重要な為、3Dスキャナを使って綿密に測量し、完成後のイメージが正確に把握できる様、心掛けました。
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除塵機を長年使用すると、チェーンのゆるみやパーツの故障により、除塵機の稼働が止まってしまうことがあります。このようなトラブルを未然に防ぐ方法の一つに、機械や設備などの保全業務があります。
しかし、保全業務を、故障や不具合発生後に行う「事後保全」に頼った状況だと、思わぬ故障やトラブルなどの影響を大きく受けてしまい、生産計画が大幅に狂うといった自体を招いてしまいます。
2021/12/07
除塵機には様々な種類がありますが、掻き揚げる方式で「レーキ形」と「ネット形」で2分されます。基本的にはレーキ形除塵機が選定されますが、レーキ形除塵機には「回動式」と「往復式」の2種類の除塵機があります。
このレーキ形回動式除塵機と、レーキ形往復式除塵機では、それぞれにメリット・デメリットがあるため、用途や設置場所、メンテナンス性に合わせて、最適な除塵機を選定する必要があります。
2022/10/03
河川などの塵やゴミを取り除くために利用される除塵機。この除塵機の種類や構造によって、ごみを効率良く除去できるかどうかに影響がでます。そのためにも、製作工程と注意点を事前に知っておくことが必要です。
2021/10/20
除塵機を長年使用すると、チェーンのゆるみやパーツの故障により、除塵機の稼働が止まってしまうことがあります。このようなトラブルを未然に防ぐ方法の一つに、機械や設備などの保全業務があります。
河川などの塵やゴミを取り除くために利用される除塵機。除塵機はダムや水力発電などインフラ設備でも利用されることが多いですが、経年劣化によりコンベアが詰まったり、稼働が止まってしまったりすることは少なくありません。
2021/12/07
除塵機には様々な種類がありますが、掻き揚げる方式で「レーキ形」と「ネット形」で2分されます。基本的にはレーキ形除塵機が選定されますが、搔き揚げるゴミによってはネット形を選定する必要があります。
2022/10/03
レーキが回転しながら塵芥を掻き揚げる「レーキ回動式除塵機」には、「背面降下前面搔揚式除塵機」と、「前面降下前面搔揚式除塵機」の2種類があります。しかしこの「背面降下」と「前面降下」のそれぞれの特徴や用途、メリットについては、ご依頼いただくお客様の多くはご存知ありません。
2022/09/07
除塵機が主役となる除塵設備は、汚水処理施設や排水設備、中継ポンプ場において、流入する夾雑物を除去するために使われます。この除塵設備について、構成する要素は大きく分けて、「スクリーン、除塵機、搬送設備、貯留設備、制御設備」の5つに分類されます。
2023/11/02
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