2021/10/26
河川などの水流を制御、分断するために利用される水門。この水門の種類や構造によって、水流を効率良く制御できるかどうかに影響がでます。そのためにも、製作工程や設計・製造におけるポイントを事前に知っておくことが必要です。
インフラ技術ナビを運営する株式会社ヤマウラ エンジニアリング事業部では、水門やゲート開閉装置の設計から製造、現場工事まですべて対応しております。本記事では、水門の用途・役割から、構造、ゲートの種類、水門の遠隔監視・遠隔操作などの管理方法、水門設備を製造する上で重要なポイント、そして当社で製作した水門・ゲート事例まで、まとめてご紹介いたします。
水門は、高潮や水害などのトラブルが発生した際、門を閉じることで、内水域の水位上昇を防ぐ役割を持ちます。
水門には、逆流防止水門(洪水時、支川への流入を防ぐ)や防潮水門(河川への海水の侵入を防ぐ)などといった種類があり、基本的には流水を制御するための構造物のうち、河川や運河、用水路、湖沼、貯水池、港湾などで河川堤防を分断する形で設けられています。 小さいサイズの水門については、農業用水路に使用される水門ゲートや、用水路用の水門もあります。
樋門(ひもん)は、河川や用水路でよく見かける施設で、用水の取水や内水の排除を目的としています。
水門と同じような外観をしていますが、大きな違いは、河川などに水を排出する水路が土手(堤防)に埋め込まれています。普段は水路から河川へ水が流れていますが、大雨などによる洪水時には、川から水路へ水が逆流しないよう樋門のゲートが閉じられます。
水門は簡易的な構造だと思われがちですが、その構造は思っているよりも複雑です。水門を構成する設備は、およそ下記の通りです。
このように水門は、様々な構成部品から成り立っています。もちろん水門の名の通り、メインになるのは水門ゲートです。
>>水門ゲートを開閉する仕組みと構造とは?水門設計・製造メーカーが徹底解説!
水門ゲートには、目的や用途によって、以下のような数多くの種類が存在します。
その中でも、日本で設置されている水門の多くは、ローラーゲートです。
ローラーゲートは、鋼鉄などでできた開閉用ゲートの板に、ローラを取り付けたものです。スピンドルやワイヤードラムを使用して、門を垂直に持ち上げて上下に開閉します。
ローラーを付けることで、水門の水圧による開閉抵抗を軽減させ、大きな水圧がかかる大規模な水門にも利用できるほか、構造上止水が容易で信頼性が高いため河川構造物ではよく用いられています。
>>水門ゲートを開閉する仕組みと構造とは?水門設計・製造メーカーが徹底解説!
その使用用途に寄りますが、水門は毎日稼働するものではなく、必要な時に機能を発揮する設備です。そのため、常日頃から作業員が水門に張り付いている必要もありません。
しかしそうなると、水門を無人で監視・管理する必要があり、緊急事態に水門を遠隔操作できるようにしなければいけません。
当サイトを運営するヤマウラは、水門の設計・製作を行う水門メーカーですが、ただ大型製缶加工をするだけでなく、電気設計まで担っております。小水力発電の制御監視システムの設計で担った技術力を活かして、当社では水門の制御監視システム・遠隔操作体制の構築までサポートしております。
インフラ技術ナビを運営する株式会社ヤマウラ エンジニアリング事業部では、水門やゲート開閉装置の設計から製造、現場工事まですべて対応しております。そんな当社だからこそ言える、水門設備を製造する上で重要なポイントは、およそ下記のとおりです。
当社では、ただ依頼いただいた通りに水門を作ることはありません。先述の通り、水門ゲートの機能性や安定性、操作性、美観性、環境性、経済性といった様々な視点で製作判断をしたうえで、最適な水門の設計提案をさせていただきます。
また水門の種類や使用用途、設置環境によっては、ゲートを開閉する際に40tもの開閉荷重がかかる場合もあります。しかし当社では、大きな力が作用するインフラ設備の設計・製造実績も多数ございますので、機能面に関するあらゆるお困りごとを解消することができます。
水門設備の製造体制についても、水門開閉用のスピンドルやゲート、巻き上げワイヤードラム、周辺部の構成部品まで、すべて社内で製作・調達いたします。水門の設置工事まで行いますが、一体物で輸送が困難なサイズもございますので、その際は水門の分割設計提案から、現地での組立設置工事まで、ゼロから最後まで対応いたいします。
ヤマウラでは、水門の定期メンテナンスや、万が一水害が発生した際の緊急時トラブル対応や点検も実施いたします。設計・製造・据付だけでなく、アフターメンテナンスとしてのサービスも展開しております。
さらに、当社にご相談が多いのが、手動開閉装置の電動化です。水門は手動によるゲート開閉装置が多くを占めていますが、その場で開閉しなければならず、また大きな力をかける必要もあるため、対応可能な作業員も限られてしまいます。しかし水門ゲートの開閉を電動化することで、誰でも容易に、かつ遠隔操作で水門ゲートを開閉できるようになります。また監視カメラを付けることで、より安全性も高めることができます。
このようにヤマウラでは、水門ゲートの設計・製造メーカーとして、様々なノウハウと多数の実績を兼ね備えております。当社は機械設計と電気設計を、ハードとソフトのどちらの設計技術をも組み合わせることで、ヤマウラでしかできない水門の製作が可能になるのです。
続いて、実際に当社が製作した水門の製品事例をご紹介いたします。
こちらは、当社が製作した鋼製スライドゲートです。
こちらの鋼製スライドゲートはもともと手動の開閉装置でしたが電動化いたしました。
当初、開閉装置のみの取替計画でしたが、老朽化により強度不足となった門扉の更新も新たに提案し、お客様の設計条件を満足した設備を納入することが出来ました。
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こちらは、ポンプ場用締切ゲートです。H=5300 W=9400 D=660という、一体物では輸送できないサイズとなるため、4分割にて輸送し、現地にて組み立てまで対応いたしました。
扉体は、耐食性や加工性、高温化での機械的性質、溶接性を考慮した上で、SUS316が採用されています。また方式としては、ローラーゲート式を採用しています。
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こちらは、当社ヤマウラが保有しているNC長尺旋盤(最大加工能力:L7,000)で製作した水門スピンドル(台形ねじ)です。水門(ゲート)の開閉装置用の台形ねじとしてご依頼いただき、製作いたしました。
インフラ技術ナビを運営するヤマウラは、過去にΦ150、L5,700の水門スピンドルを加工した実績もございます。
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水門にお困りの方は、インフラ技術ナビ.comを運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!
ワイヤーロープを使って製品・部品を巻き上げる巻き上げワイヤードラム。その用途は多岐に渡りますが、中でもインフラ業界では重要な役割を担っています。
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