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フラップゲートと緊急遮断ゲートの違いとは?

2025/01/29

高まる水害リスク

近年、ゲリラ豪雨や台風による洪水など、水害リスクが深刻化しています。地球温暖化による降水量の増加や集中化、都市化による雨水の浸透阻害、河川の老朽化など、様々な要因が絡み合い、都市型洪水も増加傾向にあります。


こうした水害は、人命の損失はもちろん、経済活動の停滞、インフラの破壊、生活基盤の崩壊など、甚大な被害をもたらします。企業にとっては、工場やオフィスの浸水、サプライチェーンの寸断による事業停止など、事業継続を脅かす深刻なリスクとなります。


このため、企業はBCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)の策定が重要になります。水害発生時の事業継続手順、従業員の安全確保、重要設備の保護、緊急時の対策などを検討し、計画を策定する必要があります。


また、水害対策においては、水門、排水ポンプ、止水設備、緊急遮断ゲートなどの防災設備の導入も有効です。国土強靭化の一環として、これら防災施設の整備などのハード面、代替機能の確保や地域コミュニティの連携強化などのソフト面の両者を強化していくことが求められます。


水害リスクは、もはや他人事ではありません。企業も個人も、水害に対する備えを強化し、被害を最小限に抑える努力が求められます。

水害を防ぐための水門

水門は、水害時の水量を調節し、地域を浸水被害から守るための設備です。水門には多くの種類があり、それぞれの用途や設置条件に応じて選ばれます。主な水門の種類には以下が含まれます。

ローラーゲート・・・門扉方式。ローラーにて門を開閉する。

スイングゲート・・・1枚門扉の端を支点に扉自体がスイング。

セクターゲート・・・2枚の扇形門扉が付け根を支点にスイング。

スライドゲート・・・ローラーがなく単純に板を上下に動かす。

転倒ゲート・・・・・洪水など水位が上昇した際、ゲートが倒れる方式、景観に優れている。

フラップゲート・・・水位による自然開閉が可能で、逆流防止のために使われる。

各種水門は、場所や目的に応じて異なる役割を果たします。

フラップゲートとは?

フラップゲートは、水位による自然開閉が可能で、逆流防止のために使われています。通常は閉じた状態で水の逆流を防ぎ、水圧が一定以上になると自然に開きます。主に下記のような特徴がございます。

  • 構造がシンプル:部品点数が少なく、メンテナンスが容易。
  • 動力が不要:水圧で自然に作動するため、省エネルギー。
  • 用途:河川や防潮堤、排水施設などでの逆流防止。

緊急遮断ゲートとは?

緊急遮断ゲートは、突発的な水害や工場設備における異常時に水流を即座に制御するために使用されます。特に、工場やプラントなどの施設において、事故や災害発生時に有害物質を含む排水が流出するのを防ぐために、排水路を緊急に遮断するために使われています。手動もしくは、電動または油圧で操作されるため、遠隔での遮断が可能です。主に下記のような特徴がございます。

  • 高い制御性能:手動やリモート操作、自動制御による遮断が可能。
  • 用途:排水路を緊急に遮断する。
  • メンテナンスの重要性:緊急時に確実に作動させるために、定期的な点検が必要。

フラップゲートと緊急遮断ゲートの比較

フラップゲートや緊急遮断ゲートは下記のような違いがございます。

表のように、逆流防止・水流の遮断といった機能は同じですが、用途や構造、求められる役割に大きく違いがあります。

フラップゲートや緊急遮断ゲートの製作におけるポイント

①強度と耐久性を確保する材質選定

ゲート本体には、ステンレスや高張力鋼など、強度と耐食性に優れた材料が使用されます。耐久性が求められるため、可動部には摩擦や摩耗に強い材料が用いられます。また、設置環境によっては、海水や薬品に強い特殊な材料が必要となる場合もあります。

②設置環境に合わせた設計

設置場所の水深、流速、土質などの条件を調査し、ゲートの形状、寸法、材質などを決定します。フラップゲートは自然に開閉する仕組みですが、緊急遮断ゲートは手動、遠隔制御かを検討する必要があります。

③コストと性能のバランス

製造工程の効率化や工期の短縮を図ることで、コスト削減につながります。
最適な機械加工や、経験のある技術者による高度な溶接などの技術によって、高品質と工数の削減を両立することができます。また、水門をモジュール化して設計・製造することで、現場での組み立て作業を簡素化し、工期短縮とコスト削減を実現できます。

安全性の確保

フラップゲートと緊急遮断ゲートは、水害から人命や財産を守るための重要な設備であるため、安全性の確保は最優先事項です。また、ゲートの動作状況、摩耗状況、腐食状況などを定期的に点検し、異常を早期に発見することが重要です。

水門設計・製造メーカーが語る、水門設備を製造する上で重要なポイント

インフラ技術ナビを運営する株式会社ヤマウラ エンジニアリング事業部では、水門やゲート開閉装置の設計から製造、現場工事まですべて対応しております。そんな当社だからこそ言える、水門設備を製造する上で重要なポイントは、およそ下記のとおりです。

  • 設置予定場所の環境等を踏まえた、最適な水門やゲート開閉装置の提案
  • 開閉荷重40t以上もの開閉装置の製造対応
  • 水門設備の製造をワンストップ対応
  • 一体物で輸送できない場合はゲートを分割設計&現地組み立て
  • 水門の定期メンテナンス・水害などの緊急トラブル時の点検対応
  • 手動のゲート開閉装置を電動化にする水門の改造対応

当社では、ただ依頼いただいた通りに水門を作ることはありません。先述の通り、水門ゲートの機能性や安定性、操作性、美観性、環境性、経済性といった様々な視点で製作判断をしたうえで、最適な水門の設計提案をさせていただきます。

また水門の種類や使用用途、設置環境によっては、ゲートを開閉する際に40tもの開閉荷重がかかる場合もあります。しかし当社では、大きな力が作用するインフラ設備の設計・製造実績も多数ございますので、機能面に関するあらゆるお困りごとを解消することができます。

さらに、当社にご相談が多いのが、手動開閉装置の電動化です。水門は手動によるゲート開閉装置が多くを占めていますが、その場で開閉しなければならず、また大きな力をかける必要もあるため、対応可能な作業員も限られてしまいます。しかし水門ゲートの開閉を電動化することで、誰でも容易に、かつ遠隔操作で水門ゲートを開閉できるようになります。本コラムで取り上げた、緊急遮断ゲートに関しても、有事においてのスピード対応が必要となりますので、電動化する必要があります。

このようにヤマウラでは、水門ゲートの設計・製造メーカーとして、様々なノウハウと多数の実績を兼ね備えております。当社は機械設計と電気設計を、ハードとソフトのどちらの設計技術をも組み合わせることで、ヤマウラでしかできない水門の製作が可能になるのです。

製品事例をご紹介

工場排水緊急遮断ゲート

65工場排水遮断用ゲート

こちらは工場の排水がオーバーフローした際の流出防止用ゲートになります。客先の希望で四方水密・塗装仕様にて納入させていただきました。
製作決定から納入まで約2週間で完成したゲートです。
弊社では経験豊富な設計・現場技術者が常駐しておりますので緊急時の対応にも自信があります。

水門・緊急遮断ゲートのことならヤマウラまで!

株式会社ヤマウラには、水門・ゲート製造に関して豊富な実績がございます。水門・緊急遮断ゲートにお困りの方は、インフラ技術ナビ.comを運営するヤマウラエンジニアリング事業部までお問い合わせください!

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